日本から昆虫採集にアマゾンにこようという方へ

現在、アマゾン一帯はブラジルの法律で国立公園扱いで、いっさい動植物の採集、持ち出しは禁止で、3年前より見つかると罰金ではなく即時逮捕の実刑です。それゆえ、ここ3年は日本からの採集家もほとんど来ていません。私もここ10年以上いっさい採集していまん。

マナウス空港に高感度スキャナーがあるため、チェックが厳しくどこに隠しても持ち出しは不可能です。

もちろん広大なアマゾンですから、不法に採集して売っている人もいますが、全てマナウスから、船で一晩以上の奥地に行かなければなりませんので、1日や2日のアマゾンでは不可能です。

8月末にイグアスの滝で世界昆虫学会が有り、日本から100人以上参加しましたが、アマゾンで採集出来ないため、ほとんどの人がアマゾンには来ませんでした。
そんな訳でいっさい協力出来ませんので悪しからず。また、日本の蝶の持ち込みも違法ですのでやめてください。

   以上

             2000年9月10日
       アマゾン自然科学博物館     橋本捷治

 

古き良き昆虫少年の夢は、もうアマゾンにはありません

熾烈なバイオ戦争の戦場です


 いずれ暇があったら書こうとおもっていたが、とてもそんな暇はなさそうなので日本の読者のみなさんに、背景を説明します。

 簡単にいうと、ブラジルのアマゾンは、現在最先端科学の遺伝子工学上の宝庫であり、世界中のバイオ企業垂涎の的。ブラジル側から言えば、巨大なダイヤモンド鉱山のようなもので、そこではムシ一匹といえども、いかなる利益が生まれるかわからない。

 したがって、外国からきて勝手にもって帰って、それで新薬をつくって利益は外国企業ががっぽり、などということにでもなれば、ブラジル側からみたら、これはダイヤモンド泥棒みたいなものであるわけです。

 ゆえに、アマゾンの各空港には最新式の機材が備えられて、その種の密猟、密売人をとらえる仕組みがあり、またよく逮捕されています。

 このような地域であるという認識なしに、採集網などもってジャングルに、という素朴な発想は、ナミビアのダイヤモンド鉱山管区に鉱石採集に行こう、というようなもんで、ご本人にとっても想像以上に危険なことです。密猟などはコロンビアにヘロインを買いに行くほうが安全なぐらい(^^)。決してなさってはいけません。現在、私がやっているアグリアスもすべて映像、そのた機材による観察活動です。

2000年9月12日
                アマゾン自然科学博物館     橋本捷治